スティーブン・スピルバーグ監督が伝説のミュージカルを映画化した『ウエスト・サイド・ストーリー』を現代の人へ届けるためにスティーブン・スピルバーグ監督が行った2つのアップデートについて語っている。

スティーブン・スピルバーグ監督が、「ロミオとジュリオット」をモチーフにした〈伝説のミュージカル〉を念願の映画化。社会の分断を乗り越えようとした“禁断の愛”の物語を、数々の名曲とダイナミックなダンスと共に描いた感動のミュージカル・エンターテイメント『ウエスト・サイド・ストーリー』。先日発表された第79回ゴールデングローブ賞では最多3冠を獲得し、第94回アカデミー賞では作品賞・監督賞を含む主要7部門でノミネートされるなど、今大きな話題を呼んでいる。

1950年代のニューヨークを舞台に“決して愛し合ってはいけない男女の切ないラブストーリー”が描く本作。ある日の夜、ダンスホールで運命的な出会いを果たしたトニーとマリアは目が合った瞬間に惹かれ合うも互いの立場争いが激しく、交際が認められることはなかった。しかし二人はいつか結ばれることを夢見ながら、劇中に響き渡る名曲の数々と共に溢れ出す想いを綴っていくのだが、トニーとマリアが辿る結末とは―。

スティーブン・スピルバーグ監督

半世紀以上前の”禁断のラブストーリー“を手掛けるにあたり、現代の人へ届くように作品を作り替えたというスピルバーグ。本人らによって、《キャラクターの再構築》と《キャストの多様性》にこだわり、より今の時代の観客が共感できるようリアリティを追求していたことが明かした。

「ウエスト・サイド・ストーリー」は、1957年にブロードウェイ・ミュージカルとして誕生して以来、世界中で語り続けられる物語。そんな伝説の物語の映画化に挑むスピルバーグは「私たちは本作で、より共感できるキャラクターたちを使ってリアルな物語を語っているんだ」と語り、現代の人にも届くようリアリティを追求したという。

そのためにスピルバーグらが行ったのは《キャラクターの再構成》。スピルバーグは「私たちはキャラクターたちを作り直し、ずっと深く掘り下げ、なぜそのような人物になったのか理由づけをしたんだ。たとえば、これまでトニーは善良で完璧な家族の良い子として描かれていたが、本作で登場するのは刑務所から出たあとという設定にした。刑務所にいたことで、彼の人生観は変わっていることを描きたかったんだ」とこれまでの設定を変え、新たな背景を加えたことを説明。それに対し主人公のトニーを演じたアンセル・エルゴートも「荒々しい世界で暗い過去をもつトニーにとって、純粋なマリアは明らかに素晴らしい存在だったんだよ」と語っており、キャラクターの再構成により、本作ではトニーがマリアに惹かれる理由がより色濃く伝わるようになっている。

2つ目のこだわりについてスピルバーグは「舞台版の役者たちは、そのほとんどが非ヒスパニック系で、1961年の映画版では、その多くが30代で、プエルトリコ人を演じていた多くが白人だったんだ。私はもっと真実に根差したキャスティングを求め、シャークスの男女全員には、必ずラテン系の若い役者たちをキャスティングすることにした。出演する人たちの多様性が、この作品を形作るんだ」と語り、本作では《キャストの多様性》を尊重し、設定に合ったキャスティングを行ったという。その結果、物語の説得力が増し、多様性を大切にする現代の人がより共感できるようになっている。スピルバーグにしか描けない、“新生ウエスト・サイド・ストーリー”を劇場で体感しよう。

『ウエスト・サイド・ストーリー』は全国で公開中!
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デ・ボーズ、マイク・フェイスト、デビット・アルバレズ、リタ・モレノ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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