『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の完成報告イベントが国立新美術館で行われ、高橋一生、飯豊まりえ、長尾謙杜(なにわ男子)、安藤政信、渡辺一貴監督が登壇した。

相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気漫画家・岸辺露伴が遭遇する奇怪な事件に立ち向かう姿を描いた、シリーズ累計発行部数1億2,000万部超を誇る荒木飛呂彦の大人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」から生まれた傑作スピンオフ「岸辺露伴は動かない」。2020年末より高橋一生主演で実写ドラマ化され、放送されるごとにTwitterトレンド1位を獲得するなど大反響、その制作チームがフランスと日本を股にかけ、劇場長編映画に挑む。それは―美の殿堂、フランスのルーヴル美術館を舞台に展開される、荒木飛呂彦初となるフルカラーの読切で描かれた人気エピソードにして岸辺露伴最大の事件。最高潮の芸術とエンターテインメントが融合した極上サスペンス。

ルーヴル美術館を舞台に描く本作にちなみ、現在『ルーヴル美術館展 愛を描く』を開催中の国立新美術館で行われた今回のイベント。「(ドラマの撮影で)『ルーヴルの撮影の時に残しておいてください』と言われたことがあったんですけど、冗談として。そんなことを何度も重ねて反響をいただいてやっていく間に、ルーヴルの話が自然と入ってきた」と振り返る高橋は「雑談が本当になっていく感覚は不思議な感じではありました」と語った。飯豊は、フランスでのロケがあるという映画の撮影に「(自身の役は)お留守番かと思っていたのですが、行かせていただきました(笑)」と笑いを誘った。

映画から参加する長尾と安藤だが、オファーを受けて「ドラマシリーズは一視聴者として楽しませていただいていたので、驚きが大きかったです」と話す長尾は「マネージャーから『長尾くん、ジョジョ好きだよね、はい』と台本を渡されて、その一言だけだったのでビックリした。作品に携わらせていただく驚きと、映画化するんだという驚きと二度驚きがあった」と明かした。

「海外の空気を吸って芝居をするのは役者としては楽しいことで、フランスに行けるということでぜひやりたいと思った」と振り返る安藤だが「これだけ愛されて長く続けてクリエイティブしている人たちの中に急に飛び込むのは、めちゃくちゃ悩んだ」と明かした。しかし、撮影現場では「受け入れてくれる雰囲気がめちゃくちゃうれしくて、感謝して。この作品がこんなに長く続けられているのかは、スタッフとかキャストがこの作品を愛していて、温かさ、懐の広さを感じた」と語った。

パリでの撮影では「スタッフさんだけではなくてキャストさんも『ジョジョ(の奇妙な冒険)』が好きでオーディションを受けられている方もいて。非常にジョジョらしいセリフをアドリブで作ってくださっていた。すごく愛されている作品で、しっかり愛を持って作品作りをしていると感じると幸福な気持ちになりました」と振り返った。

「ルーヴル美術館を貸し切りで撮影させていただいたんですけど、人のいないルーヴルを(役衣装に)扮装しながら入らせていただいて、モナリザの前でお芝居ができたこと、本当に夢みたいで」と笑顔を見せる飯豊。一方で二階建てバスに乗っての撮影では「凱旋門を50周したんです(笑)あとにも先にもそんなことはない(笑)」と明かし、笑いを誘った。

日本での撮影では、自身の撮影がない日に高橋の撮影を見学したという長尾は「私服で現場に行っていたので、『おはようございます』といったら一生さん気づいてくれなくて(笑)3回くらい挨拶して『あ、長尾さんですか?』と気づいてくださって。でも気づいてくださって、その日に出会えたのが一生の思い出です」と明かすと、高橋は「普段着だから気づかなかったというわけではなく、周りが全く見えてない中年だったので大変申し訳ない。まさか見学しに来てくださるとは」と恐縮しきりだった。

最後に高橋は「一味も二味も違うような、オムニバスのようですべてがつながっていて、必ずクライマックスにピークが来るということもない気がします。奇妙な不思議で素敵な物語です。僕が理想としていた映画としてのものが随所に詰まっている素敵な作品です」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は2023年5月26日(金)より公開
監督:渡辺一貴
出演:高橋一生、飯豊まりえ/長尾謙杜、安藤政信、美波/木村文乃
配給:アスミック・エース
© 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社